ミス・ビットコインが関わる仮想通貨ビジネスの内容とは?

仮想通貨取引にかかる消費税を撤廃し、改正資金決済法(通称・仮想通貨法)をいち早く施行するなど、仮想通貨に関する法整備は世界的に見ても進んでいた日本。しかし現在、たとえば国内居住者向けのICOを実質禁止するなど状況は一変している。日本の仮想通貨取引をめぐる環境はどうなるのか? そして税制の整備は進むのか? 仮想通貨と国際税務の双方に詳しい柳澤賢仁氏と、「ミス・ビットコイン」こと藤本真衣氏の対談をお届けする。第2回のテーマは「関わっている仮想通貨ビジネスについて」。

「ボディーガードつけたほうがいいよ…」って!?

柳澤 2014年の独立後はいろいろあったという藤本さん。でも今は、仮想通貨に関連したビジネスが安定している印象です。

藤本 頻繁に海外に行くので、「羽振りがいいね」とか言われるんですけど、まったくそんなことないです。そもそも、独立してからずっとミートアップを主催してきましたけど、全部持ち出しだったので、最初のころは赤字でした。海外視察も基本的に自腹。会って直接話を聞くことを大事にしているのですが、そんなことをやっていると出ていくお金ばかりですよね。今は、招待してもらえることも増えましたけど。初めて仮想通貨がちゃんとしたビジネスに繋がったのは、国内取引所の広報担当に任命していただいたとき(笑)。

柳澤 6月にはイスラエルのブロックチェーン関連企業を集めたイベントを、表参道でやっていましたよね? 200人近く集まったようですけど、ああいうイベントはどんなビジネスモデルなんですか?

藤本 あのイベントは、5月に初めてイスラエルに足を運んだことで実現したものですね。柳澤さんもご存じの宍戸健さん(東京ビットコインMeetUpグループ創設者)がイスラエルに拠点を移したので、「真衣ちゃんも来なよ」と言ってくれたのと、BINANCE Labsで働いている友達が誘ってくれたのが重なって。イスラエルはブロックチェーンの根幹に関わる暗号化技術や、セキュリティ技術に優れた企業が本当に多いんです。

そのときに、イスラエルのICO支援企業であるBlockchain ILの方と知り合いになり、「日本でも、イスラエルのブロックチェーン関連プロジェクトを紹介するイベントをやりたい」と。それで、流動性のリスクを解消した革命的な仮想通貨プロジェクトで昨年のICOで170億円以上を調達した「Bancor(バンコール)」など選りすぐりのイスラエル企業6社を呼んで開催したんです。正直に言ってしまうと、このイベントの利益も少ししか出てないです。出展企業に少しずつお金をもらいましたが、会場費がけっこうかかっていますので。

柳澤 ビジネスとしては厳しいですね…。

日本一ビットコインを持っている…!?

日本一ビットコインを持っている…!?

藤本 そうなんです。「お金儲けが下手すぎる」とよく言われます(笑)。でも、外から見ると、逆の認識なんですよね……。香港のイベントにお呼ばれしたときなんて、通訳の方が間違えて「ミス・ビットコインの藤本真衣さんは、日本で一番ビットコインを持っている方です!」と紹介するので、やめろー!大変な間違いしてますー!って(笑)。お金を持っててリスクを負うのはまだしも、持ってないのにリスクだけ負うなんて、そんな悲劇ありますか(苦笑)?

海外の取引所関係者が誘拐されたり、イギリスでは銃で脅してビットコインを強奪する事件が起こったりしているじゃないですか? だから、ボディーガード付けてる知人に「目立つから、ボディーガードつけたほうがいいよ」って言われたことがあるんですけど、「そもそもそんなお金ないですー!」って(笑)。

40代のベテランエンジニアが活躍する時代になる!

柳澤 最近立ち上げられた「withB」のほうはどうなんですか? ブロックチェーン関連人材のマッチングサービスを提供していますよね。

藤本 はい、去年の末くらいにTwitterで「この業界人材不足なんじゃないかなぁ」とつぶいたときに、この界隈で働いてる友達からのリプとかDMで「足りない! 誰か紹介して!」と連絡をもらったんですよね。それがキッカケで必要性を感じ立ち上げました。ご存じの通り経営は苦手なので、そこは任せ、顧問として関わっています。このビジネスはものすごい伸びると思います。今まで会ったことないほど優秀な人たちが興味を持ってくれているので。ブロックチェーンの技術者は世界的に不足しているんですけど、成長分野なうえにお給料がどんどん上がっているので、優秀なエンジニアや、金融のバックグラウンドを持ったエリートが、どんどん流れ込んできています。2月にジョブフェアを開催したときは、300人以上の方が足を運んでくれました。

面白かったのは、大手企業の研究職に就いているような40代の方も結構いらっしゃることですね。ブロックチェーンって、実際にはいろんな技術の寄せ集めなので、エンジニアのスキルを生かせる分野が必ずあるんです。たとえば、「昔、新幹線を作っていた」っていうエンジニアさんのスキルも、今後IoT(Internet of Things=モノのインターネット)分野で生きてくるはずです。

だから、ブロックチェーン技術者の多くがSolidityというプログラミング言語を習得していますが、実際にはレガシーな言語も含めて開発ができるエンジニアの活躍の場が広がってくるはず。基礎から学んでいるベテランエンジニアは非常に貴重なんです。

「ベテランエンジニアの需要が高まっているんです」

柳澤 確か、秋山繁雄さんもwithBに参画されてましたよね?

藤本 ものすごい助けてもらっています。FX黎明期から自分の部下は自分で採用されていた経験を持っているうえに、イスラエルの金融システム会社と契約されたり、ブロックチェーン技術を利用したダイヤモンド取引所のCEDEXの日本代表をされているので、仮想通貨にも精通されてます。

柳澤 いろいろ知ってて面白い人ですよね。

藤本 誰かが「仮想通貨界のブルース・ウィルス」って言ってました(笑)。たぶん見た目のことを言ってると思うんですけど、『ダイ・ハード』並みに頼りになる方です!

(つづく)

藤本真衣

グラコネCEO/「KIZUNA」ファウンダー/withB adviser/GMOインターネット adviser / LayerX adviser/BRD advisor /MediBloc advisor / Zeex ambassador

神戸生まれ神戸育ち。大学在学中に家庭教師派遣の営業に夢中になり、大学中退。19歳からフリーランスとして活動開始。その家庭教師派遣の営業では日本トップの成績を納める。上京した後には、子供向けWebコンテンツ「キッズ時計」の立ち上げや、全国の「いいね!」を集める「いいね!JAPAN」などのコンテンツプロデュースに関わる。そのなかでビットコインに出会い、2014年にグラコネを設立後はブロックチェーンに関連するイベントプロデュースやマッチングビジネスを数多く手がけるようになる。「ミスビットコイン」の愛称で広く知られている。2011年から暗号通貨業界に携わり、印象的な経歴で業界の発展に寄与している。

柳澤賢仁

柳澤国際税務会計事務所代表/柳澤総合研究所代表/税理士

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了後、アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て2004年に独立。独立後に支援したスタートアップのなかからすでに2社がIPO。起業家の海外支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M&A、海外税務のアドバイザリー業務など幅広く手掛ける。主な著書に『お金持ち入門』(共著)、『資金繰らない経営』などがある。


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