ミス・ビットコインは仮想通貨でいくら儲けたのか?

仮想通貨取引にかかる消費税を撤廃し、改正資金決済法(通称・仮想通貨法)をいち早く施行するなど、仮想通貨に関する法整備は世界的に見ても進んでいた日本。しかし現在、たとえば国内居住者向けのICOを実質禁止するなど状況は一変している。日本の仮想通貨取引をめぐる環境はどうなるのか? そして税制の整備は進むのか? 仮想通貨と国際税務の双方に詳しい柳澤賢仁氏と、「ミス・ビットコイン」こと藤本真衣氏の対談をお届けする。第1回のテーマは、少し軽く「いくら儲けた?」。

ビットコインの伝道師、ロジャー・ヴァーとの出会い

柳澤 藤本さんは界隈では知らない人がいない「ミス・ビットコイン」。この業界では、かなりの古参ですよね?

「いきなりお金のお話ですか!?」(笑)

「いきなりお金のお話ですか!?(笑)」(藤本)

藤本 ビットコインを知ったのは2011年12月ですね。簡単に自己紹介させてもらうと、私は大学在学中に家庭教師の派遣先を探す営業のアルバイトをやっていたんです。勉強が苦手な子供や、やる気のない反抗期の子供のところに「こんにちは」って行ったら鉛筆を投げられたりもしたんですけど、そういう子に「勉強頑張ろう」って。でも、せっかく子供がやる気になっても、結局アルバイトですし、お昼は大学に行ってるから、子供と家庭教師の研修に立ち会えないことが無責任だなと感じたんですよ。それで、大学を辞めて、その仕事一本に。

柳澤 そこでビットコインに出会ったんですか?

藤本 その仕事を7年続けたこともあって、フリーランスで仕事をしていく自信がついたんです。当時は神戸にいたので、「東京とか都会に出て、もっと大きなインパクトが与えられる仕事がしたい」という思いもありました。ただ、まだ社会人経験が乏しいので、当時お世話になった方が「とりあえず、会社に入ってビジネスについて勉強してみなさい」と、お知り合いの会社を紹介してくれたんです。それが、世界の子供たちが笑顔で時間を知らせてくれる「キッズ時計」というサービスをつくった会社。そこで働きながら、オンライン英会話教室で英語を学んでいたのですが、その先生がロジャー・ヴァーのお友達でした(笑)。

柳澤 いきなり「ビットコインの伝道師」に出会ったんですね!

藤本 英語の先生がハリウッド女優をしていた経験もある、とても素敵な方で、どうしても会いたくなって、東京に遊びにいったんです。先生とご飯を一緒に食べていたときに「ちょっと変わった外人が来るけどいい?」って。それが、ロジャーだった(笑)。

人に聞いても「それ詐欺だろ」と相手にされない時代

柳澤 当時、ロジャーにビットコインのことを熱弁されて、どんな感じだったんですか?

藤本 家庭教師派遣、キッズ時計と子供に関する仕事をずっとしていたこともあって、世界中の子供たちに寄付ができるプラットフォームの立ち上げを考えていたんです。ユーザーが目的と寄付先となる子供を選べる、個人と個人を結ぶ寄付サイトを作ろうと。ただ、ネックになっていたのが、海外送金の手数料。1,000円送るのに、高いところでは4,000円も送金手数料が取られる。これじゃあ、無理だね……って言っていたときに、ロジャーに出会ったのは運命的でした。

柳澤 なるほど。ビットコインなら、送金手数料が格安ですもんね。それも2012年当時なら、相当安かったんじゃないですか?

藤本 そうなんです。「少額を送っても、大きい金額を送っても、手数料は10円以下なんだよ」「ビットコインは発行体も管理する人もいない、Peer to Peerの送金手段だから余計なコストがかからないんだ」って、ロジャーはその仕組みまで熱く語ってくれました。もう、衝撃でしたね! ただ、当時はビットコインで検索しても、全然情報が出てこないんです。人に聞いても「それ、詐欺だろ」って相手にされなかった時代です(笑)。

「それなりには持っていましたが……」

柳澤 ビットコインをその当時から知っていて、けっこう投資もされたんですか?

藤本 それが、私は駆け出しの身で全然お金がなかったので、あまり買えなかったんです。2014年のマウントゴックス事件(ハッキング被害を受けて当時の仮想通貨取引所最大手が破綻。現在、民事再生中)の前から買い増して行って、それなりに持っていましたが……。

柳澤 おおー。

藤本 ところが、2016年に一度全部売ってしまったんです……。

柳澤 そうなんですか!?

「もったいなさすぎる……」

「もったいなさすぎる……」(柳澤)

藤本 キッズ時計のあと、2014年に独立したんです。イベントプロデュースなどを行う広告代理店としてグラコネという会社を設立したんですけど、そのときにいろいろあって……。私、お金にはとんと縁がないんです(苦笑)。

柳澤 ミス・ビットコインなのに意外すぎますね(笑)。

(つづく)

藤本真衣

グラコネCEO/「KIZUNA」ファウンダー/withB adviser/GMOインターネット adviser / LayerX adviser/BRD advisor /MediBloc advisor / Zeex ambassador

神戸生まれ神戸育ち。大学在学中に家庭教師派遣の営業に夢中になり、大学中退。19歳からフリーランスとして活動開始。その家庭教師派遣の営業では日本トップの成績を納める。上京した後には、子供向けWebコンテンツ「キッズ時計」の立ち上げや、全国の「いいね!」を集める「いいね!JAPAN」などのコンテンツプロデュースに関わる。そのなかでビットコインに出会い、2014年にグラコネを設立後はブロックチェーンに関連するイベントプロデュースやマッチングビジネスを数多く手がけるようになる。「ミスビットコイン」の愛称で広く知られている。2011年から暗号通貨業界に携わり、印象的な経歴で業界の発展に寄与している。

柳澤賢仁

柳澤国際税務会計事務所代表/柳澤総合研究所代表/税理士

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了後、アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て2004年に独立。独立後に支援したスタートアップのなかからすでに2社がIPO。起業家の海外支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M&A、海外税務のアドバイザリー業務など幅広く手掛ける。主な著書に『お金持ち入門』(共著)、『資金繰らない経営』などがある。


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